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藤田 裕之氏

第34回京都教育懇話会例会は、2015年11月1日(日)14:00より、
養老孟司氏(京都国際マンガミュージアム館長)と、デービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社代表取締役社長)をお迎えし、京都国際マンガミュージアム 多目的映像ホールにて開催いたしました。

藤田裕之京都市副市長による開会挨拶の後、養老孟司氏とデービッド・アトキンソン氏との対談が行われました。また、全体の司会は京都教育懇話会学生部員が務めました。

参加者からは、「冷静に現状分析をして、前もって見通しをたてて、その目標に向かっていく必要性がよくわかった」「日々感じでいたものを言葉にしてもらったように感じ、とても勉強になった。」「根拠ある考えを持つよう心がけるようにしたい」「もう一度教育について考えることができた」「分かり易い論点で、課題がクリアーになった。」などという感想が寄せられました。(アンケートより)

今回の講演には社会人や学生など合わせて約180名にご参加いただき、大盛況のうちに終了いたしました。ありがとうございました。

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デービッド・アトキンソン氏

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養老 孟司氏

 

司会者の感想

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学生部会による司会

日本を代表する論客である養老孟司さんと、伝統文化に外国人として鋭く切り込むデービット・アトキンソンさん、このビッグネームのお二人をお招きした今回の講演会は、日本の未来へ、実証的なデータに基づく、お二人の豊かな経験を交えた示唆に富むお話ばかりで、まさに目から鱗の時間でした。

その中でも印象に残ったお話が、「観光都市 京都」の実態です。私は現在、京都を訪れる外国人観光客の方々に無料ガイドを提供するGood Samaritan Clubという団体で活動しています。そのご縁で外国人の方々をどう受け入れるべきか常に考える機会があり、日本でよしとされていることについて、疑問を感じることがありました。例えば、東京オリンピックの誘致成功後、日本人の精神の代名詞の如く捉えられる様になった「おもてなし」については、世界でもトップレベルに英語のできない日本人に、世界トップのおもてなしが果たしてできるのだろうか、実際は日本人の美徳の押し売りなのではないかと考えていました。

このような疑問が、アトキンソンさんからも「2014年京都は世界一の観光地と評価されたが、観光客数の実績は、世界96位であり、日本は評価と実績が乖離している」というような形で示され、日本人のとらえ方は点検の必要があると実感させられました。自分は留学経験があり、外国人の友人と議論する機会も多くありますが、感情論を語ることの多い日本人と、論理的に話す外国人の差には、常に悔しさを感じます。そして、それはバックグラウンドの違う人が集まる、これからのグローバル社会では、確証的な事実に基づく話ができないことは、致命的な欠点です。
将来についてなにかと課題が多いとされる日本ですが、小さな問題でも看過せず、それを確かに改善する為の有効な対応策を出す事の重要性、そんなことを考えさせられた時間でした。
(立命館大学 法学部1回生 峰 隆一郎)

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会場の様子

 

今回の第34回例会で司会をさせていただきとても貴重な経験を積むことができました。司会をするにあたっては、前の日から何回も練習を積み重ねていたけれど、当日の本番ではとても緊張しました。それでも何回も練習したおかげか個人的に司会を落ち着いてこなせたと思います。ですが、まだまだしっかり話せていなかったところなど力不足だったてんが多かったので、今回のような機会をとおして人前でしっかりと話せるようになりたいと改めて感じました。

今回のゲストの養老孟司さんとデービッドアトキンソンさんの対談で一番記憶に残っているのは、伝統産業品といいながら、他国産のものが使われているという指摘で、なんでも素直に受け入れては本当のことはわからないのだ。と思いました。また、意見を述べるときはその根拠を述べることが大切ということを改めて実感しました。
今回の経験を通して、これから意見を述べるときはしっかりとした根拠を確認した上で述べるようにしたいと思いました。
(京都市立洛陽工業高等学校 2年生 加畑 雄樹)

対談の様子