レジリエント・シティ京都市民フォーラムは、2018年1月20日(土)13時30分より、
課題挑戦都市・京都、私たちが今できること~しなやかな未来社会を創る人づくり~と題し、基調講演に鷲田清一氏(京都市立芸術大学学長)をお招きし、京都市立京都堀川音楽高等学校にて開催いたしました。
門川大作京都市長のご挨拶のあと、鷲田氏の講演が行われました。

鷲田氏からは、現代社会は家庭や職場などの近景、国家などの遠景は感じられても、地域社会などの中景が見えなくなっているのではないかと問題提起いただき、例として村八分について紹介いただきました。本来、村人は地域の生活における十の共同行為をみんなでするのだが、掟や秩序を破ったものに対しては、埋葬と火事の消化以外は協力しないというものであり、それぐらい地域社会の役割が濃密であったことを引き合いに、今の地域社会と対比させながら、問題点をわかりやすく伝えていただきました。またproがつく英単語を紹介いただきながら、未来から今を見つめる視点も教えていただき、最後に「京都をオルタナティブがたくさんある街に」とメッセージを残されました。

次に、レジリエント・シティ京都市統括監の藤田裕之氏がコーディネーターを務め池坊専好氏(華道池坊次期家元)、清水美香氏(京都大学学際融合教育研究推進センター特定准教授)、堀場厚氏(堀場製作所代表取締役会長兼社長・京都教育懇話会会長)、升光泰雄氏(京都市私立幼稚園協会会長)にご登壇いただき、パネルディスカッションにうつりました。

最初は、清水氏よりレジリエントについて、自身のアメリカでの経験談も交えながら、より詳しく教えていただき、その後、パネリストの方のレジリエントに対する考え方を聞かせていただきました。升光氏は、子どものごっこ遊びを例に、最近の子どもの”いないいないバァ”はタブレットがやるなど、子どものごっこ遊びが社会や大人の姿を表していると教えていただき、大人の責任を感じさせられました。池坊氏からは、生け花をはじめとする文化・芸術がしなやかで健全な人材育成につながるのではないかと「京都モデル」の追求を伝えられました。堀場氏からは、ご自身の足首の骨折の話を引き合いに、ものづくりではしなやかなものを作る、強靭なものを作ることはそれぞれにできるが、両方を兼ね備えるというのはなかなかできない。足首は、しなやかさと強靭さの両方を持っていて本当に素晴らしいと伝えられました。まさに、人間というもの自身がレジリエンスなのではないかと考えさせられるお言葉でした。最後に、藤田氏まとめと閉会挨拶をいただき、大盛況のうちに終了いたしました。

今回の講演には社会人や教職員・学生、関係者など合わせて約500名にご参加いただきました。ありがとうございました。