第43回京都教育懇話会例会は、2018年2月15日(木)18:30より、<日本の未来と人づくり>スマートワーク時代の新人材教育像-明治150年、京都から平成維新の風起こせと題し、講師に湯田健一郎氏(株式会社パソナ リンクワークスタイル推進統括/厚生労働省 柔軟な働き方に関する検討会委員)、ファシリテーターに田中博氏(立命館大学大学院教職研究科 准教授)をお招きし、立命館朱雀キャンパス多目的室にて開催いたしました。

講師の湯田 健一郎氏

最初に、湯田氏から今の世の中の情勢をお話しいただきました。映画「アイアンマン」の画像を用いながら、未来の世界をイメージさせ、親近感を抱きながらのスタート。その後、働き方改革に対する方向性や内閣府・経済産業省の考え方が示されました。働き方改革というと、時間管理がメインと思われる方も多いようですが、個のスタイルに合わせた働き方をするために最新のテクノロジーを用いてイノベーションを起こすことこそ、本当の働きから改革ではないかとご提示いただきました。

その後、田中氏との対談を実施。田中氏からは、「教育の現場には特有の課題があり、企業とは同じようにはできないと思うが、どうお考えか」「これからの社会に必要な力は?」など人づくりにかかわる内容を中心に、話題を深めていただきました。

質問に答える湯田氏(右)と、ファシリテーターの田中博氏(左)

休憩をはさんで行われたグループディスカッションでは、各グループで白熱した議論を展開。企業、学校、行政、一般の方が入り交じって、それぞれの立場で自分の考えを主張。時間があっという間に過ぎていき、参加者からは「もう終わり?」という声が漏れ聞こえてきました。

グループディスカッション後には再び全体会に戻し、質疑応答。

「いくら技術が進化しても、人と人とのかかわりは大切ではないか」という質問には、「face to faceが大事だと思うからこそ、技術の進化をいかに利用するか。遠方で離れていたら顔が見られないけれども、今ならVRや8Kの画面で、人の表情を見ながら話をすることができる。技術が進歩したからこそできる新たな形があるのではないか」と返答。

また「仕事の種類には、willとcanとmustがあって、それらの重なっているところに仕事があればベストだと考えている。そのバランスが悪い時に、問題をなくすのではなく、より加重をかけることで、越えられることもある」とストレスがかかった際の考え方もお話いただきました。

参加者からは「湯田先生のパーツに分けたり、別のものにふれたりという柔軟な視点や考え方が大変参考になった」「私自身が何をするべきか考える良い機会になった」「盛りだくさんの内容に満足した」「参考になるキーワードがたくさんあった」「世の中の情勢がよくわかった。自ら学んでいく必要性を感じた」「想像よりもはるかにはやく変化する社会のことや全く新しい働き方のイメージをもつことが出来た」「教育の中にもスマートワークを見出すヒントがあり、自分にも改革できることがあると感じた」

会場の様子

またディスカッションでは「様々な立場の方に話を聞けて視野が広がった」「もっとじっくり話し合いたかった」「他業種の方と話をすることは大事だと思った」「多面的な意見が聞けて刺激になった」「もっと時間がほしい」「コミュニケーションのとり方にいろいろと悩んでいたが、ヒント・気付きをいただけた」「多様な考え方や感じ方をふまえて、次どうしていくのかを考えていければと思った」など、非常に沢山の感想が寄せられました。

 

今回の講演には社会人や教職員・学生、関係者など合わせて約100名にご参加いただきました。ありがとうございました。