第45回京都教育懇話会例会は、2018年8月3日(金)18時より、<日本の未来と人づくり>明治150年に思うこと〜ダイバシティ京都の今、未来〜、と題し、門川大作京都市長をお招きし、漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)多目的室にて開催いたしました。

第1部:門川市長の講演

門川市長の講演では、まず、祇園祭を例に挙げながら、京都の人々が、世界の平和と人々の幸せを願って、どんな思いを込めて豪華な祭りを続けてきたのか、そして、未来社会をどう描いてきたのかについて語られました。

そして、明治維新で人口が激減する厳しい状況の中で、先人は子供を育てることを第一に考え、「子供を育てれば未来は変わる」と地域の宝として子供を育てるために番組小学校を作り日本中のモデルとなったこと、また徒弟制度から近代的な学校制度へいち早く移行し、人づくりを大切に考えてきたことはいまに続いていることをお話されました。

今年は「世界文化自由都市宣言」から40周年になるが、新たな文化を創造し続ける新たな文化創造都市であること、文化を基軸としたまちづくり、世界平和の実現目指していくことを確認されました。そして、明治150年の現在を生きる私たちが、100年後の人のために、先を見通して失敗を恐れずに行動してくことの大切さをお話しされました。

そして、昨今、パナソニック、LINEなどという日本を代表するグローバル企業が京都に拠点を置き活動を始めていること、そこには京都の文化、伝統、教育、人材などに対するグローバルな視点から見た魅力があることなどを踏まえ、今後さらにものづくりと文化の融合によるイノベーションの創出を図っていきたいと、新たな京都の役割についての展望を語られました。

第2部:パナソニック アプライアンス社 中川氏によるお話

後半は門川市長の話を受け、パナソニックアプライアンス社デザインセンターの中川仁課長にご登壇いただき、創業100周年を迎えたパナソニックの、今後どのように展開や京都との関わりについて語っていただきました。京都にはグローバルなブランド力があり、人材、伝統、ものづくりの原点があることを活かし、京都とつながることで日本らしいパナソニックデザインのアイデンティティを築き、次の100年に向けて世界に発信したいとお話しになりました。

門川市長とのトークセッションでは、簡単・便利で使いやすいを目指してきた社会だったが、次の100年もそれだけで行けるわけではないこと、伝統工芸には佇まい、動き方、所作など学ぶべきところがあり、そのまま商品化できなくても、本質が普通の家電の中に生かすことができること、また、経年変化は悪という価値観から脱し、それこそが魅力という家電づくりを考えたいなど、今までの価値観を覆していくことの必要性が語られました。

特別ゲスト:LINE 佐藤氏にもご登壇いただきました

続いて、特別ゲストとしてLINE公共政策室の佐藤琢磨様にもご登壇いただきました。佐藤様からは、留学生が多く集まる京都で若いエンジニアを教育したい、イノベーション人材の育成で貢献したい、また、自然災害が起きた後、情報収集、安否確認、心のケアをLINEで行い、防災減災のサポートができないかとご提案をいただきました。

 

創造的な議論がなされ、門川市長から世界に貢献するまちづくりのデザインを考えていきたいとまとめの言葉をいただきました。

今回の講演には約120名にご参加いただきました。ありがとうございました。