株式会社ツナグラボ代表取締役
中西 將之 氏

 デジタル化の進展で様々なものの境界が薄れつつある話に共感を覚えました。
ただ、なお「リアル優位」が当面(5Gや6Gなどがどこまでリアルに近づくか安易に予想できませんが)続くとしたら、学校や教育のあり方もしっかり見直していく必要があると実感しました。
変革には大人社会の協力が不可避で、子供の自立精神を養うアントレプレナーシップ教育や金融リテラシー教育などの重要性が一層高まると見ています。
失敗を恐れずチャレンジする、それには失敗に対して何より社会が寛容であること。
特に現代のネット偏重社会では失敗を叩きすぎるきらいがあります。言葉だけの多様性ではなく、真の寛容性を子供たちが育むためにはどうすればよいか、共に考える懇話会の場があれば良いなと思いました。

公益財団法人日本漢字能力検定協会管理部人事課
末迫 太一 氏

 講演テーマの通り、教育イノベーションの近未来について理解の深まる内容で、大変勉強になりました。GIGAスクール構想により、小中学校でタブレットやPCの普及率が世界トップクラスとなった今、どのように活用率を上げていくか、マインクラフト授業はその先進モデルと肌で実感しました。正頭先生はこの授業の一番の特徴は誰でも対応できる「再現性」(グローバルティーチャー賞のTOP10採択で高い評価を受けた)にあり、「教育委員会がOKすれば公教育の場でもすぐに授業化できる」と断言。加えて「ICT教育とリアルの体験授業は共存できる(賛成、反対の議論は無意味)、デジタルはリアルの拡張体験」と強調するその言葉には先進授業で裏付けされた説得力があり、例会参加者の心に刺さったと思います。

京都市教育相談総合センター専門主事
(前京都市立朱雀第一小学校長)
林 まゆみ 氏

 大変テンポよく,わかりやすいお話でした。
今は常識がころころ変わる時代だと、正頭先生は指摘され、ゲーム感覚で楽しめるマインクラフト授業を通し、児童たちの体験する世界が広がり、また課題のSTEAM教育もいかに重要か明快に説明され、大変良かったと思います。
また教育に対する情熱や楽しんで取り組んでおられる姿勢,そして児童への熱い思いも伝わってきて,毎日児童への対応に追われ,疲労気味の教員に元気がもらえるお話だったかと思います。
教員自身が学び続け,自分の「好き」なことを求め続ける姿が大切だと改めて感じました。

京都市教委指導部学校指導課担当課長
(教育ICT化推進・社会連携担当)
 安村 圭史 氏

 とても内容の濃い例会だったと感じています。正頭先生からは①DXなど技術革新の進展で10年後に必要な人材像は到底予想できず②今は児童生徒の好きなことを追求する力を伸ばすことが何より大切なこと③またICT教育は体験を拡張するものであり④これからの教員は学校現場と社会の各層をマッチングする仲介・コーディネートの役割が求められることーー等々、多くの共感できる指摘がありました。
今では公教育の現場でもICT教育の環境がそろいつつあります。その一方で,これまで大切にしてきた対面授業重視の教育が否定されるのではないか、そう懸念される先生方もおられます。そうした様々な思いを乗り越え,学校内で前向きに協働、共創していくためには,なにか教職員の間で新たな教育観や到達目標を共有することが大切だと実感しました。京都市でも,昨年度末に急ピッチで一人一台端末を整備したところであり,教員と児童生徒がステップを踏みながら実践を重ね,この9月に本格活用期を迎えたところです。PCのスペック不足,ネットワークの不安定、学習ソフトの開発など,まだまだ解決すべき課題は少なくありませんが,今後,様々なアイデアやイノベーションが学校現場から生まれてくると思っています。児童生徒が主体となり,経験・体験の幅を広げ,無限の可能性を広げる,学校がそうした場として,より社会とのつながりを大切にした教育を展開していくこと,改めてその大切さを感じた例会でした。