<日本の未来と人づくり>
漢字の世界を脳科学で読み解く
~読み書きの習熟は生涯の知的財産~

今ではスマホやパソコンで誰でも簡単に文章が作成できます。難解な漢字もネット上では自在に扱え、これまでの「読み書き」の世界は一変した格好です。ただ「ネット依存で漢字が書けなくなった」といった声をよく耳にします。学校現場ではデジタル端末の導入が進み、手書き軽視の弊害を危惧する先生方が多いようです。児童や生徒が1人1台の端末を持つ時代に「書くこと」の学習をどのように考え、ネット時代の国語教育の指針とすべきか。64回例会では京都大学医学部付属病院特定助教の大塚貞男氏と立命館小学校教諭の正頭英和氏をゲストに招き、上記テーマを主題に、対談形式で開催します。大塚氏ら京大の研究チームは先頃、脳科学の視点で「読み書きの習熟度が高い児童や生徒ほど将来に渡って言語、認知能力や文章作成能力が高くなる」とした研究成果を発表し、国際的にも注目されています。対談論議にご期待ください。

登壇者

京都大学医学部附属病院精神科神経科特定助教
大塚 貞夫 氏

1982年⽣まれ。精神科病院・総合病院などの勤務を経て2017年4⽉から現職。 翌5⽉に⼈間健康科学の研究で博⼠号取得。この時期から⽇本漢字能⼒検定協会と連携して京⼤内に発⾜した「ライフサイクルと漢字神経ネットワークの学際研究」のチーム(学習期班)リーダーとして活躍。昨年1⽉英国の世界的な著名科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に研究論⽂(村井俊哉京⼤⼤学院医学研究科教授との共同執筆)が掲載され、国内外で⼤きな関⼼を集めている。

立命館小学校 主幹教諭
正頭 英和 氏

1983年⽣まれ。京都市⽴中学校、⽴命館中学校・⾼等学校の英語科教員、⽴命館⼩学校のICT教育部⻑等を経て昨年4⽉から現職。ICT活⽤型の既成概念を超えた教科横断的な授業改革の実践に力を注ぐ。2019年には、マインクラフト授業が評価され、優れた教師を表彰する世界的な賞「GlobalTeacherPrize」
(英国の著名な教育慈善団体バーキー財主宰)で、150ヶ国3万人の教師の中から⽇本の⼩学校教員として初めて「トップ10」に選ばれた。

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