2018年10月19日に開催しました、第46回例会の開催レポートをご紹介いたします。

 

第46回 例会を終えて

例会 第2部の様子

京都教育懇話会企画運営委員(京都市教育委員会学校指導課担当課長)菅野 明宏

 

第46回京都教育懇話会例会は,2018年10月19日18:30より「<日本の未来と人づくり>変わるパナソニック,京都から世界へ ~来たれ日本(京都)の強みを生かす人材~ 」と題して,講師に臼井重雄氏(パナソニックアプライアンス社デザインセンター所長),パネリストに堀江未来氏(立命館小学校・中学校・高等学校代表校長),竹田昌弘氏(京都市立西京高等学校・附属中学校 校長)をお迎えし,本年4月に開所されたパナソニックデザイン京都において開催し,当日は,本懇話会々員や学校関係者をはじめ約160名が参加されました。

<第一部>臼井重雄氏(パナソニック アプライアンス社 デザインセンター所長)講演

まず,臼井氏の基調講演では,ご紹介いただいた映像にもありましたが,パナソニックデザインのテーマ「TRANSITIONS(遷移)」という言葉に「未知なる未来を拓くために移り変わっていく挑戦,歴史や伝統を尊重しつつ,過去をリスペクトしながらも新しい挑戦」という意味が込められていること,こうした中で,そのデザインの開発プロセスもオープンイノベーションにより大きく変化してきている,さらには,デザイナーのマインドを変えていくといったお話が,その後のトークセッションにもつながるものと,特に,興味深く拝聴しました。
併せて,京都にはグローバルな発信力があること,創業者である松下幸之助氏の「物をつくる前に人をつくる」という言葉も強く印象に残っています。

<第2部>パネルディスカッション(臼井氏、竹田昌弘氏、堀江未来氏)

トークセッションでは,司会・コーディネータ―として討論に参加する機会をいただいたのですが、急激にグローバル化が進展する中で,次世代の育成に向け、堀江先生の「多様性の中で自分を鍛える経験」をさせたい,また竹田先生の「自ら進んで困難なことにチャレンジする生徒」を育てたいという,それぞれの先生方のご経験や自校の生徒の皆さんを念頭におかれたお話も,示唆に富んだ内容であったかと思います。

また,当日は,今回の例会を本市の教員研修「学校経営力向上講座」に位置付けさせていただき,50名を超える校長,教頭ほか管理職の参加を得て開催することができましたが,こうした中で,臼井氏がデザイナーからデザイン部門を統括する立場となって「スキルチェンジ」が必要であったというお話は,今日の学校の管理職の方々の現状にも通ずる視点であったように思います。
昨今,AIやビッグデータの活用,ロボティクス等の先端技術によって社会の在り方が大きく変わる「Society5.0」社会の到来といった話題が,教育の世界においても大きく取り上げられるようになってきました。

こうした中で,今回の例会を通して,私自身,改めて,予測困難な時代を迎えるにあたっては,ちょうど40年前の10月に「広く世界と文化的に交わることによって,優れた文化を創造し続ける永久に新しい文化都市」という「世界文化自由都市」を宣言した,ここ京都において,自分自身に確固たるアイデンティティを持って,多様な他者との協働により,新たな価値を創造していくことができる,そんな人材が求められていると実感しました。
その意味においては,学校であっても,企業であっても人材育成の方向性は同じなのではと考えたところです。

<最後に>

最後になりましたが,講師の臼井様,パネリストの堀江先生,竹田先生,また,今回,会場をご提供いただきますとともに,多大なご支援を賜りましたパナソニックデザイン京都の皆様に厚く感謝申し上げます。
ありがとうございました。