ごあいさつ
京都教育懇話会会長 堀場厚
(堀場製作所代表取締役会長兼グループCEO)
現在、私たちをとりまく環境はかつて無いスピードで変化しており、その中で様々な課題が浮き彫りとなってきています。これらを突き詰めていくと、その多くの根源に「人」というキーワードが見えてくるのではないでしょうか。様々な問題に対応するには、必ず「人」としての力が求められ、またグローバル化が進む中では、国際社会で対応できる「日本人」としての力も試される時代に入ってきています。
この「人」というキーワードに対して私たちがなすべきことは子どもたちへの教育、真の人づくりです。その実現のためにはまず、行政、教育機関、地域、企業、メディア等が幅広く分野を超えて協力し、議論する場が必要ではないかと考え「京都教育懇話会」を立ち上げるに至りました。お互いがお互いを非難し、単に評論するだけの時代は去りました。
本懇話会では本音ベースでの議論を深め、それを具現化することによって、確かな日本の未来を築いていければと心より願っております。経験のない新しい試みではありますが、志の旗高く邁進し、より一層多くの方のご支援、ご協力を賜りたいと存じます。
活動は、集まり、考え、発信すること
京都教育懇話会の活動は3つに集約されます。それは集まり、考え、発信するということです。現代社会における変化のスピードに対応し、継続的にこの社会を維持していくためには、人づくりと教育という大切な課題を学校だけに任せることはできません。大人社会全体で考え、協力していくことが必要です。そのためには、立場の違いを超えて集まり、いろいろな切り口から考え、情報を発信していくことが求められているのです。
テーマは多様な切り口から
子どもを取り巻く環境はものすごいスピードで変化しています。たとえば、携帯電話をひとつとっても、技術革新のスピードに学校現場だけでは対応できない様子が浮かび上がります。新しいツールや技術がどんどん開発され、それらとどう向き合い活用していけば良いのか対応策が求められています。そのような事柄をひとつとっても、大人社会が全体で正面に据えて考える責任があるのではないでしょうか。私たちは「教育」と「人づくり」を中心として、多様な切り口からそこにある課題にアプローチしていきたいと考えます。
京都教育懇話会のテーマ
<教育 人づくり>
・京都 地域ぐるみ・・・京都という街の中で、地域全体で子どもを育てる環境を生み出していく。
・伝統 文化・・・温故知新、伝統に学び、そこから新しい発想を生み出す文化的な厚みをつくる。
・家庭 ゆたかな心・・・変化の早い現代社会の中で、家庭や親子関係を大切にする社会を目指す。
・国際化 グローバル化・・・国際化グローバル化する社会の中で求められる人材像を明らかにし、
日本を担う人づくり。
・モノづくり コトづくり・・・サイエンス、アート、工芸、食育などの分野を活性化し、
これらの分野を支える人を育てる。
・産業、社会 企業参加・・・企業と社会が求める人材像と学校教育を結ぶ、教育に企業がさらなる貢献を行う。
京都教育懇話会は、企業の業態や規模、小・中学・高校・大学等の校種や公立・私立の違いを超え、また教職員のみならず学生・院生・あるいは塾などの教育産業も含め、さらには地域や立場を問わず、共に集い、学び、研鑽し、そして情報発信する「場」づくりを目指します。教育とは未来の創造です。私たちは未来に対し常に謙虚で真摯な姿勢でのぞみ、日本の近代学校教育発祥の地、京都から新たな次世代教育モデル創造に向け、広く内外から英知を集め、連帯の輪を広げて参ります。